おれの考えた念能力

 

 

 

①「香港虎波(タイガーパフューム)」

 

自分の体臭を自由に操ることができる。

(呼吸が出来なくなるくらい臭くしたり、離れられないくらい良い匂いにしたり)

香の範囲は一般的に体臭を感じる半径1m×高さ2m内。

自分には影響しない。範囲が狭いので制約はない。

 

 

 

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②「悠々白書(エリートキャンバス)」

 

一度戦ったことのある相手には絶対に負けない("戦い"が始まってから終わるまで、相手のすべての能力を上回る)。

 初戦の相手には絶対に負ける(すべての能力が相手より劣る)。

この能力は、物理的な殴り合い殺し合いに関わらず、軍儀などの遊戯、賭け事、あるいは占いなど、自身と相手が"これは戦いである"と認識した時のみ自動的に発動する。

 

 

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③「嫌な女(クルエラ)」

 

背中に自分の体の一部のコピーを最大4つまで生やせる。

(例:腕4本)

(例2:目2つ口2つ)

(例3:上半身4つ)

※背中のコピーを生やしてもその背中からコピーは生やせない。

 

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④「撃鉄(スイッチ)」

 

具現化した銃で撃った対象(生物でも無生物でも対象となり得るが、"モノ"として自分が認識できる大きさでないといけない)と自分の位置を入れ替える。

 

 

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⑤「求愛星人(マジカル・ガール)」

 

マジカルステッキとパートナーとなる念獣1体を具現化。マジカルステッキから出た光線を浴びたものはこの能力(求愛星人)が使えるようになる。(使える期間は"親"となる術者が 能力を解除=ステッキの具現化を解消 するまで)

パートナーの念獣は攻撃力は一切持たないが、ちゃんと相談に乗ってくれる。

 

 

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⑥「黒い傘(ブラインドデビル)」

 

最後から数えて1人目の、体に触れながらこの能力を説明した相手、にしかこの能力は使えない。

自分と相手の視力を同時に失う。

視力を戻したり失ったりするタイミングは自分で選べる。

 

 

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⑦雷叫(シノノビ)

 

雷雲を自分の円の範囲分の上空に発生させ、叫ぶそこからオーラの雷が相手に向かって落ちる。叫ぶ声の大きさに雷の威力やスピードが比例する。

 

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⑧自由人(ロックスター)

 

自分ひとりが影響する重力の強弱、方向を操れる。(後方から横方向の強い重力を浴びて超スピードで移動したり上下から弱めの重力を受けて浮遊したり強い重力を乗せたパンチをしたり)

 

↑もしかしたら引力なのかも。バカだからわかんない。

 

 

 

 

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⑨嘘入道(ドリームジャンボ)

 

自分に嘘を吐いた相手にだけ使用できる能力。(自分が"嘘を吐かれた"ことに気付いてなくても勝手に発動する)

相手は自分に総オーラの半分(小数点以下四捨五入)を貸し出す。相手のオーラが全回復した時、借りてたオーラの量をそのまんま返却する。

 

 

 

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⑩笑いの神様(キング・オブ・コメディ)

 

笑えば笑うほど強くなっていく。

 

 

 

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だめだったらちゃんと言ってください

 

 

  小学二年生の秋、校門前でうんこを漏らした。当時コナンの犯人の黒い人が怖かった俺は学校のトイレが怖くて行けず、我慢の限界の末…だった。

 

正確には、漏らし、ジャージ素材の半ズボンの裾から、コロッと零れ落ちた。小さい頃からトランクス派だったのが仇となった。

 

「はまっこクラブ」という学童保育みたいなのの帰りだったので、遅い時間で他の生徒は少なく、その時は奇跡的に周りに誰も人がいなかったので、後処理を一切せずにめっちゃ走って帰宅した。

 

家に着く直前でおばあちゃんに遭遇した。俺はうんこ漏らしたことを知られたくなくて、持っていたデジモンの手提げ袋で足に少しついてしまったうんこを隠し、おばあちゃんを無視して急いで家の中に入りトイレに駆け込んだ。

 

翌日登校すると昨日のうんこがカピカピになってまだ残っていた。俺は(いつまでも残り続けるのかな)なんて考えて絶対に隠し通さなきゃだなって思った。

 

三四時間目、授業で近くの公園にどんぐりを拾いに行くことになった。先生の後に二列になってクラスのみんなで校門をくぐった。

先生は驚いた声で

 

「うわっ。みんな。ここにうんちがあるから、気をつけて。…これ人のうんちよね…学校の前なのに、こんなことする人がいるのね…」

 

って言った。俺は目がビショビショになったが、雫は零さなかった。ばれたら終わりだったから。みんなに混じって「キッショ〜!」と自分のうんこを罵った。

その日どんぐり拾った数クラス一位になった。糞を漏らしてさっきまでボロクソ言われていた人間が、木の実を拾いまくって賞賛を浴びている。限界だった。何をしてても"うんこを漏らした"という事実が俺を責めた。学校へ戻るときも、また明日登校する時も、みんなが俺のうんこを罵倒するのを目の前で味わう地獄が広がる。

 

またみんなで二列を作り学校の方に戻る。門が見えてくる。殺しちくり〜という思いを胸にマイうんこを目視した。

 

ない。

 

うんこが、なかった。

 

茶色い絵の具を拭き取った跡みたいのだけになっていた。

みんな騒いで(?)た。

 

「うんこなくなってるーギャハハハ」

 

「きっとご近所の方が片付けて下さったのね」

 

もう辛い想いは終わるんだ…と安心して鼻水をすすった。

 

 

家に帰る。うちは両親が共働きだったので、おばあちゃんがたまにうちに来て家事をやってる。この日もいた。

 

「おかえり」

 

「んー」

 

てきとーに返事をした。

 

 

「今日バァバ、たまたま学校の方まで行ったんだけどね」

 

 

「校門の前に犬のうんこがあったからさ、いやだよと思って片付けてきた」

 

 

「んー」

 

またてきとーに返事をしてテレビをつけた。

 

 

結衣3、小学二年の秋だった。