クリスマス・イヴ。
本来イエス・キリストの生誕祭であるが、現代では愛する人との特別な1日として広く知られている。
そんなイベントとは無縁の錆びた人生を生きる男に舞い降りた、白い粉雪のような、ほんの僅かな救いのような夢を今朝見たので共有させていただく。
以下、夢
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舞台は子供部屋おじさんとして我が暮らす二階建ての一軒家。
ラジオ番組のロケと称し、何故か我の家に上がり込んできたのが、
大西沙織さんだった。
どうやらリスナーの家にお邪魔するという企画のようだ。
舞い上がった我は、何を思ったか、冷蔵庫に置いてあった、母親が作えたオムライスを取り出し、「これ良かったらどうぞ〜」と大西さんに差し出した。
空気が凍る。コロナ禍というご時世というのもあるし、なによりオタクの家で出された食い物なんて、何が入ってるか知れたものではないだろう。大西さんもスタッフも我を無視して撮影を進める。(死ぬほど落ち込む、我。)
なぜかハンガーに掛かった白衣が我の家にあり、それを見た大西さんが
「結衣3って、白衣似合わなそうだよね〜背高くて細くて白い人は似合いそうだけど…毛深そうだし。笑」
突然いじってきた。いじられたのは飛び上がるほど嬉しかったし、名前を呼ばれたのも凄すぎた。
しかし、腐っても、我も男。愛する女性の手前、いじられキャラで終わるのは、やはり恥。
今はやめてしまったが、一時期脱毛サロンに毎週通ってツルツルの美脚を手に入れた栄光の過去もある。悔しくて、それを見せたくて、一旦2階にある自分の部屋にもどり、急ピッチで毛を剃るか迷うが、いやもう無理だいいやと思ってそのままリビングに戻る。(この諦め癖が、現実の我の人生も狂わせていることは、言うまでもない。)
すると、休憩時間だろうか、大西さんが佐倉綾音さん(以下、あやねる)と電話をしている。
戻ってきた我に気付くと、通話を続けながらニヤニヤした視線を我に向ける大西さん。
我「え、電話、誰???あやねる!???(大西、首を縦にふる)ウオオオ!!」
と興奮した演技を一振り。
大西「佐倉さんって言ったらなんか興奮し出したんだけど〜!笑 私の時とリアクション違いすぎない?笑」
先程いじられた仕返しだ。
本当は、大西さん、我にはあなたしか見えてないというのに。
その後大西さんは、うちのリビングに飾ってある、小学生の頃の書道大会の賞状とかを見て俺とか弟の名前を知って、佐倉さんと通話しつつ、佐倉さんもいるLINEグループにうちの家の写真を貼っていじってきてるのを、自身のスマホを渡して見せてきた。わざと我の本名を間違えて書いて、「本名◯◯っていうんだって〜」「弟と韻踏んでんじゃん」とか、「(我の幼少期の写真を貼って)こん時どんな感情?笑」とか、我へのいじりで盛り上がっていた。
我が、つっこみのつもりで、弱い力で大西さんの肩をパンチする。
大西「ねえちょっと触られたんだけど〜!笑」
電話越しにあやねるがガチで心配しているのが聞こえてきた。
ヤベッ!と思って、大西さんのスマホでLINEグループに
「触ってないです!!ごめんなさい!!」
と書き込んだ。
佐倉綾音はこういう時の察しが本当にいい。
オタク本人からの書き込みと気付いたのかLINEの更新が止まる。
大西さんがオタクに触られスマホも奪われたと思っているのだろう。デカ声でしきりに大西さんの安全確認をしているのが受話器から漏れてくる。
大西さんは、笑い声を殺して爆笑の顔で我を見てくる。
この時、この瞬間、我と大西さんの間でしか共有されていない事象が発生している(あの佐倉綾音を差し置いて)、と思ったら幸せすぎてどうにかなりそうだった。
抑えられない破顔と、大西さんと見つめ合う幸せに耐えられなかった我は再び手元のスマホに目を落とす。
偶然だが、グループ一覧が表示されていて、そこは9人ほど人のいるグループだった。
中には、なんか見覚えのあるアイコンが、何人かいた。
けんさん、ひらうさん、ガムさんなどの、大物ツイッタラーがそのグループにいたのだ。
「ハァ?」と思い、ブチギレながら、大西さんが帰ったら即ネットで暴露しようと決意したところで尿意を催し起床。メリークリスマス。